【学習指導要領を読み解く】高校におけるプログラミング教育とは?〜前半~

プログラミング教育

こんにちは。福田泰裕です。

令和3年度から、高校でもプログラミング教育がスタートします。
小学校ではScratchなどを用いたビジュアルプログラミングが行われていますが、高校のプログラミング教育では何を教えれば良いのでしょうか?
「何を教えたらよいのか分からない…」そういった不安を抱えておられる先生方はとても多いと思います。

今回は新しい学習指導要領を読み、何をどう教えて、どのような力を身に着けさせれば良いのか見ていきましょう。

目次

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プログラミングは『情報Ⅰ』の(3)!

令和2年度から始まる学習指導要領では現行の『社会と情報』『情報の科学』が廃止され、新たに『情報Ⅰ』『情報Ⅱ』が始まります。
その『情報Ⅰ』は必履修科目となっており、4つの領域があります。
(1)情報社会の問題解決
(2)コミュニケーションと情報デザイン
(3)コンピュータとプログラミング
(4)情報通信ネットワークとデータの活用
プログラミング教育は、「(3)コンピュータとプログラミング」の中で行うことになります。

プログラミングを学ぶ理由は?

「結局プログラミング教育って何を教えればいいの?言語はどれ?」という先生も多いと思います。
その答えは学習指導要領に書いてありました。

コンピュータで情報が処理される仕組みに着目し,プログラミングやシミュレーションによって問題を発見・解決する活動を通して,次の事項を身に付けることができるよう指導する。

ア 次のような知識及び技能を身に付けること。 
(ア)省略
(イ)アルゴリズムを表現する手段,プログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワークを活用する方法について理解し技能を身に付けること。 

イ 次のような思考力,判断力,表現力等を身に付けること。
(ア)省略
(イ)目的に応じたアルゴリズムを考え適切な方法で表現し,プログラミングによりコンピュータや情報通信ネットワークを活用するとともに,その過程を評価し改善すること。

学習指導要領(平成30年告示)情報編 31ページ

簡単に言うと、プログラミングを学ぶ理由は『アルゴリズムを表現するため』だということです。
つまり、プログラマーを養成するわけではないので、複雑なプログラムや高度なテクニックは必要ないということです。

プログラミング教育は何を教えれば良いの?

プログラミングを学ぶ理由は、『アルゴリズムを表現するため』であることは分かりました。
では、何を教えれば良いのでしょうか?

《『知識及び技能』の取扱い》
ア(イ)アルゴリズムを表現する手段,プログラミングによってコンピュータや情報通信ネットワークを活用する方法について理解し技能を身に付けることでは,コンピュータを効率よく活用するために,アルゴリズムを文章,フローチャート,アクティビティ図などによって表現する方法,データやデータ構造,プログラムの構造,外部のプログラムとの連携を含めたプログラミングについて理解するとともに,必要な技能を身に付けるようにする。その際,アルゴリズムによって処理の結果や効率に違いが出ること,アルゴリズムを正確に記述することの重要性,プログラミングの意義や可能性について理解するようにする。

学習指導要領解説(平成30年告示)情報編 32ページ


まとめると、
①アルゴリズムによって処理の結果や効率に違いが出る
②アルゴリズムを正確に記述することの重要性
③プログラミングの意義や可能性

この3つを理解させることが目的ということです。

『①アルゴリズムによって処理の結果や効率に違いが出る』ことは、ある目的のためのアルゴリズムを工夫することで、効率が良くなる(早く終わる)ような課題を提示する必要があります。

『②アルゴリズムを正確に記述することの重要性』は、手順を間違えるとうまく動かなくなる事が分かるような課題が必要です。

『③プログラミングの意義や可能性』は、人間だと間違えたり飽きたりするような大変な作業でも、ちゃんとプログラミングすることで効率化させることができるような課題があれば良いでしょう。

このような課題を見つけて提示し、生徒に理解させることが『プログラミング教育』なのです。
しかし、課題を1つ終えるだけでそのような事に気付けるはずがありません。
いくつかの課題に向き合うことで、効率化や手順の大切さを学んでいくものです。
そのような課題を見つけるのが、今のうちに私たちがやるべき事です。

どの言語にすれば良い?

プログラミング言語と言っても、C、Java、Pythonなどたくさんあり、「どの言語にすれば良いの?」とお悩みの先生も多いでしょう。
しかし、「この言語にしなさい」などと言うことは学習指導要領のどこにも書かれていません。
つまり、どの言語でも良いのです。どの言語でも良いので、上に述べたような事に気づけるようにしてあげれば良いのです。
「どの言語にしようかな〜」と悩む時間があるなら、どれでも良いので得意なものや扱いやすいものを1つ見つけ、適切な課題を見つけることに時間を使う方が得策です。

前半はここまで。

後半は、生徒に身に着けさせる力と、学習していく上での注意点について書いていきます。

後半はこちら👇

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