こんにちは。福田泰裕です。
この記事では、2021年日本数学オリンピック(JMO)第2問の問題を解説していきます。
最後まで読んでいただけると嬉しいです!
【日本数学オリンピック(JMO)予選2021第2問】問題
【日本数学オリンピック(JMO)予選2021第2問】考察
【考察①】まず考えるのが三角形の等積変形
このような面積を求める問題で必ず登場するのが、「三角形の等積変形」です。
【三角形の等積変形】
これら3つの三角形の面積は、どれも
\[(底辺) \times (高さ) \div 2 = \frac{1}{\,2\,}ah\]
で等しい。
底辺と高さを固定すれば、3つ目の頂点を横にスライドできます。
この「三角形の等積変形」を使って、斜線部分を一か所にまとめていく方針でいきましょう。
【考察②】対角線をすべて引いてみる
とりあえず、正十角形の対角線をすべて引いてみましょう。
こうすると、例えば
\(対角線 \mathrm{CH} /\!/ 辺 \mathrm{AJ}\)
\(対角線 \mathrm{CH} /\!/ 辺 \mathrm{EF}\)
であることが見えてきます。回転すれば
\(対角線 \mathrm{AF} /\!/ 辺 \mathrm{CD}\)
\(対角線 \mathrm{AF} /\!/ 辺 \mathrm{IH}\)
など、すべての対角線は、それぞれ2つの辺と平行になっているようです。
【考察③】平行線が見つかれば、三角形の等積変形
平行線が見つかれば、三角形の等積変形を使えます。
上の図から、等積変形できそうな三角形は、「\(\triangle\mathrm{ADO}\)」がパッと見つかります。
頂点Dを頂点Cに移動すると…
斜線部分の図形は、このように変形できます。
【考察④】小さな三角形を移動する
三角形の等積変形を行ったところ、左上に小さな隙間ができてしまいました。
ここでよく見ると、右側に同じ形の三角形が落ちているではありませんか!
\(\triangle \mathrm{IGH}\) を、\(\triangle \mathrm{ABC}\) の部分へ移動してやれば、斜線部分はすべて正十角形の左上に集まりました。
【考察⑤】面積を求める
さて、いよいよ面積を求めていきます。
正十角形の面積は \(1\) で、5本の対角線によって10等分されています。
つまり、三角形1つの面積は \(\displaystyle \frac{1}{10}\) です。
斜線部分はこの三角形4つ分なので、これで面積を求めることができそうですね。
【日本数学オリンピック(JMO)予選2021第2問】解答
【日本数学オリンピック(JMO)予選2021第2問】まとめ
いかがだったでしょうか。
難しい知識は必要なく、必要な知識は三角形の等積変形だけ。
ひらめきさえあれば中学生でも解けてしまうような問題でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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