こんにちは。福田泰裕です。
この記事では、高等学校で履修する『情報Ⅰ』第2章「コミュニケーションと情報デザイン」より、「(4) アナログとデジタル」について解説していきます。
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目次
この記事の内容は、私がYoutubeに公開している『情報Ⅰ授業動画②-(4)』を文字起こししたものです。
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「アナログとデジタル」という言葉を聞いて、何を思い浮かべるでしょうか。
アナログ時計とデジタル時計、アナログ放送とデジタル放送、などといった言葉を思い浮かべる人も多いでしょう。
それでは、アナログとデジタルの違いを、はっきり説明できますか?
アナログとデジタルは、量の表現方法の違いによって、分類できます。
時間や温度のような量を表現する際、日時計や水銀温度計のように、連続的な量で表現することを『アナログ』といい、デジタル時計やデジタル温湿度計のように、段階的な量で表現することを『デジタル』といいます。
つまり、アナログ表現の場合は、連続的な量で表現されるので、必ず正確な量を表現できます。
例えば水銀体温計では、体温を水銀の長さで表現します。
水銀の長さを正確に測定できれば、正確な体温を知ることができます。
それに対して、デジタル表現の場合は、段階的な量で表現するため、正確な値で表現することはできません。
例えば、デジタル体温計で37.5度と表示されても、それはあくまでも近似値で、実際は37.5度よりほんの少しだけ高かったり、低かったりする可能性があります。
しかし、37.5度以上の細かい値を知る術はありません。
このように、デジタル表現は「正確な値ではなく近似値で表現される」という特徴があります。
そして、コンピュータは、文字、画像、音楽などのすべての情報をデジタルで表現しています。
しかもその表現方法は、「0」と「1」の2段階です。
このように、「0」と「1」の組み合わせだけで数値を表現する方法を『2進法』といい、2進法によって表された数値を『2進数』といいます。
コンピュータでは、文字、画像、音楽などの情報を、決められたルールに従って「0」と「1」の2進数に変換し、処理しています。
それでは、コンピュータはどのようにして「0」と「1」を読み取っているのでしょうか。
コンピュータの中にある集積回路(IC)に電流を流し、その電圧の高さによって、「0」と「1」を区別しています。
直流電圧が5ボルトの場合は2進数の「1」、0ボルトの場合は2進数の「0」を表現します。
一定の間隔で電圧を計ることで、「0」と「1」の並びを読み取っているのです。
このとき、情報量の最小単位を『ビット』といい、2進数の1桁に対応しています。
1ビットで表される情報量は、「0」と「1」の2通りです。
そして、8ビットをまとめて『1バイト』といいます。
1バイト(8ビット)で表される情報量は、1ビットごとに2通りずつ表現できるので、2通りが8桁。
つまり、\(2^8=\)256通りです。
同様に考えると、nビットで表される情報量は、\(2^n\)通りとなります。
8ビットをまとめて「1バイト」と単位が変わりましたが、それから上は\(2^{10}=\)1024個ごとに単位が変わります。
1024B(バイト)を、1KB(キロバイト)。
1024KB(キロバイト)を、1MB(メガバイト)。
1024MB(メガバイト)を、1GB(ギガバイト)。
1024GB(ギガバイト)を、1TB(テラバイト)。
1024TB(テラバイト)を、1PB(ペタバイト)といいます。
1km = 1000mですが、1KB = 1024Bです。
間違えないよう、注意してください。
ここで、情報量の単位の変換の練習をしておきましょう。
第1問。20KBは、何bitですか。
1KBは1024Bなので、20[KB] = 20×1024[B]。
そして、1Bは8bitなので、8倍すると、単位がビットになります。
計算すると、20 [KB] = 163,840 [bit] となります。
続いて、第2問。10GBは、何KBですか。
[GB]を1024倍すれば[MB]になり、[MB]を1024倍すれば[KB]になります。
これを計算すると、10 [GB] = 10,485,760 [KB] となります。
このように計算すれば、情報量の単位を変換することができます。
コンピュータが採用しているデジタル表現には、多くのメリットがあります。
そのデジタル表現のメリットを、3つ紹介していきます。
1つ目は『ノイズが混じっても修復できること』です。
アナログの波形は、ノイズが混じって波形が変わってしまっても修復できず、そこから読み取れる情報も変わってしまいます。
しかしデジタルで表現された波形の場合、小さなノイズによって多少波形が乱れても、コンピュータは「ある一定以上の電圧を『1』、一定以下の電圧を『0』」と読み取っているので、元の波形に修復することが可能です。
このように、情報を修復できるというのは、デジタルの大きなメリットの1つです。
デジタル表現2つ目のメリットは『容易に加工できる』ということです。
文字、音声、静止画などのすべての情報が0と1の2進数で表現されているため、この「0」と「1」の並びを変更することで、修正・編集などの加工や、圧縮・暗号化などの処理を容易に行うことができます。
圧縮とは、一定のルールに従って、データ量を小さくする処理のことです。
この圧縮は大きく分けて2種類あり、『可逆圧縮』と『非可逆圧縮』に分けられます。
『可逆圧縮』は、圧縮前と展開後のデータが完全に同じになる圧縮方式です。
圧縮されたデータをもとに戻す処理を、展開、解凍、伸張、などといいます。
文書ファイルや、プログラムファイルなどは、1ビットでもデータが変わってはいけないため、可逆圧縮によって圧縮します。
もう一つの『非可逆圧縮』は、音声・画像・動画などのファイルの圧縮に用いられます。
人間には聞こえないような高い音や低い音をカットしたり、人間は気が付かないような部分の画質を落としたりして、圧縮効率を高めてデータ量を大きく削減します。
ただし、圧縮の際にデータを書き換えてしまうため、完全に元に戻すことはできません。
3つ目のメリットは『統合的に取り扱える』ということです。
『統合的に取り扱える』とは、『様々な機器で同じように取り扱える』ということです。
例えば、レコードに記録されたデータを再生するためにはレコードプレーヤーが必要となり、カセットテープに記録された音声データを再生するためにはカセットプレーヤーが必要となります。
このように、アナログデータの場合は『再生するために専用の機器が必要』となってきます。
しかし、デジタルデータの場合。
音声データが、一定のルールに従って、「0」と「1」の並びで表されています。
そのため、コンピュータ、CDプレーヤー、スマホなどの機器によって同じように再生することが可能です。
このように、デジタルデータは『様々な機器で同じように扱える』という特徴があり、これを『統合的に取り扱える』といいます。
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