こんにちは。福田泰裕です。
この記事では、高等学校で履修する『情報Ⅰ』第2章「コミュニケーションと情報デザイン」より、「(1) メディアの発達」について解説していきます。
最後まで読んでいただけると、嬉しいです!
目次
この記事の内容は、私がYoutubeに公開している『情報Ⅰ授業動画②-(1)』を文字起こししたものです。
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メディアとは『情報が発信者から受信者に届けられる際に関係したすべてのもの』のことです。
情報を表現する手段、情報を伝達する仕組み、情報を伝達するものなどが含まれます。
例えば、あるニュースから情報を得る際に使用する、テレビ・スマホ・インターネット・本・ラジオ・文字、更には電線まで、すべてのものがメディアと呼ばれます。
メディアの発達の歴史を見ていきましょう。
私たち人間は遥か昔に言葉を発明し、『口頭』で情報を伝達していました。
文字が発達してからは、紙に文字を書く『筆記』によって情報を伝えるようになりました。
15世紀になると活版印刷の技術が発達し、本や新聞などの『印刷物』が出回るようになりました。
19世紀には、電気通信技術が発達し、『電信・電話』による情報伝達ができるようになりました。
そして20世紀前半には大量送信の時代に入り、『ラジオ・テレビ』の発明によって、一度に多くの人に情報を伝達できるようになりました。
20世紀後半になると、情報伝達の方向が変わってきます。
それまでは発信者と受信者の立場がはっきりしていましたが、双方向伝達の時代に突入しました。
『インターネット』や『電子メール』では発信者と受信者が入れ替わり、相互に情報をやりとりすることができます。
このように、時代とともに情報を伝達するメディアも変化しているのです。
しかし、「メディア」と一口に言っても、その言葉が表すものが多すぎます。
そのため、メディアを分類していきましょう。
ここでは、
の3つに分類します。
1つ目は『情報メディア』。
情報メディアとは『情報を伝える手段』です。
例えば、テレビ・新聞・ラジオ・電話などが、情報メディアに分類されます。
2つ目は『表現メディア』。
表現メディアとは『情報を表現する手段』です。
例えば、文字・図・表・音楽などが、表現メディアに分類されます。
3つ目は『伝達メディア』。
伝達メディアとは、『情報を伝達するもの』です。
例えば、紙・インク・電線・空気などが、伝達メディアに分類されます。
空気は音を伝達するときに必要なので、伝達メディアに含まれます。
そして、これら3つのメディアがお互いに機能して情報が伝えられます。
例えば、新聞は情報メディアですが、紙(伝達メディア)の上にインク(伝達メディア)を使って、文字(表現メディア)で情報を表現します。
このように、3つのメディアは単独で使用されるものではなく、相互に機能して、情報が伝達されるのです。
次は、メディアの特性を見ていきましょう。
まず、マスメディアです。
マスメディアとは『不特定多数の受信者へ向けての情報伝達に関わるメディア』のことです。
例えば、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・インターネットなどが、マスメディアです。
このように、一度に多くの人に情報を伝達できるメディアを、マスメディアと呼びます。
また『マスメディアを使って情報を伝達すること』を、マスコミュニケーションといいます。
次は、メディアを情報伝達の方向で分類してみましょう。
メディアには『発信者から受信者へ一方的な情報伝達を行うもの』と、『発信者と受信者が入れ替わって双方向に情報伝達を行うもの』があります。
『一方向のメディア』の例として、テレビ・新聞・ラジオ・雑誌などがあります。
それに対して『双方向のメディア』には、電話・SNS・ビデオ会議・電子掲示板などがあります。
次は、情報伝達のタイミングによる分類です。
発信のタイミングと受信のタイミングがほぼ同じ『同期性メディア』と、タイミングが異なる『非同期性メディア』があります。
『同期性メディア』には、テレビ・電話などがあり、『非同期性メディア』には、新聞・雑誌などがあります。
また、インターネットははっきりと分類できず、サービスによって異なります。
例えば、チャット・ビデオ会議は同期性メディアに分類され、SNS・電子掲示板は非同期性メディアに分類されます。
次は、表現メディアの特性を見ていきましょう。
私たちが情報を伝えたいとき、文字・図形・音声などの表現メディアを使って、情報を表していきます。
しかし、この表現メディアにはそれぞれ得意・不得意があるのです。
例えば「足元に段差があります。お気をつけください。」という看板があっても、その看板を読む前に、段差に躓いてしまうことでしょう。
文字は詳細な説明が得意ですが、瞬時に伝達することができません。
そこで、図形を使った看板があれば、遠くから見ても一瞬で伝わります。
しかし、なぜ足元注意なのか、どれくらい危険なのか、ということは伝えられません。
図形は、瞬時の伝達に向いていますが、詳細な説明はできません。
更に、国や地域によって、図形の表す意味が変わることがあるので、注意が必要です。
そこで、音声を使って「足元注意!」と伝えると、どこを向いていても情報を伝達できます。
他にも、静止画で情報を表現する場合、写真やポスターを使えば、印象強く伝達できます。
また、動画を使えば、スポーツなどの動きのある情報を伝えやすい、という特徴があります。
このように、表現メディアには、それぞれ得意・不得意があります。
「すべてを文字で説明」、「すべてを図形で説明」…というのではなく、それぞれの個性を生かすべきなのです。
表現メディアの特性を理解し、使い分けたり、組み合わせたりして、工夫することが重要となってきます。
次は、伝達メディアについてです。
伝達メディアは、情報を保存して瞬間的に伝達する『記録メディア』と、情報を空間的に伝達する『通信メディア』の2種類に分けられます。
記録メディアには、CD・DVD・紙・フラッシュメモリ・HDD・SSDなどがあります。
これらは、情報を記録する際に用いられるものです。
通信メディアには、電話回線・LANケーブル・光ファイバ・電線・Wi-Fi電波・空気などがあります。
これらは、情報を実際に伝達するために必要なものです。
私たちの身の回りには、多くの情報があふれています。
スマホを開けばいくらでも情報が手に入り、コミュニケーションができる時代です。
そのため、メディアを正しく利用、活用する能力が必要になってきます。
そのような能力を、メディアリテラシーといいます。
具体的には、
です。
①と②は受信者としての能力であるのに対し、③は発信者としての能力です。
つまり現代を生きる私たちには、情報を受信するだけでなく、活用して発信する能力も求められているのです。
また、インターネットには多くの情報があり、調べればどんな情報でも手に入ります。
しかし本やテレビと違い、誰でも発信できるのがインターネットの世界です。
そのため、発信者の不注意によって誤った情報であったり、逆に、意図的に発信された偽りの情報も含まれています。
すべての情報が正しい情報とは限らず、情報の信憑性が保証されているわけではありません。
そこで、情報をそのまま鵜呑みにせず、客観的に捉えたり、他の情報と比較したりして、真偽を見抜くことが重要です。
また、インターネットで得られる情報は、不正アクセスによって情報が書き換えられたり、操作ミス、プログラムのミス、自然災害などが起きたりして、情報が正しく伝達されない可能性もあります。
誰が発信した情報なのか、いつ発信された情報なのか、など、情報の信頼性にも注意を払う必要があります。
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