こんにちは。福田泰裕です。
この記事では、高等学校で履修する『情報Ⅰ』第1章「情報社会の問題解決」より、「(8) 問題解決の手順」について解説していきます。
最後まで読んでいただけると、嬉しいです!
目次
この記事の内容は、私がYoutubeに公開している『情報Ⅰ授業動画①-(8)』を文字起こししたものです。
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まずここで扱う問題とは、数学のテストの問題とは少し異なります。
ここでは「理想とする姿と現実とのギャップ」のことを問題と呼びます。
例えば、野球の試合でヒットが打ちたいのに、現実ではヒットが打てないなら、その差が『問題』となります。
つまり、問題を解決することで、理想の姿に近づくことができるのです。
しかし闇雲に取り組んでも、問題は解決できません。
問題を解決するには、手順に従って進めていく必要があります。
それでは、問題解決の手順を見ていきましょう。
問題の発見→問題の明確化→解決案の検討→解決案の決定→解決案の実施と評価
の順で解決していきます。
また、最後の評価で、各段階の振り返り、フィードバックを行うことが重要です。
それでは、1つずつの手順を詳しく見ていきましょう。
まず1つ目、『問題の発見』です。
問題の発見には、現状の把握が必要です。
「なぜ失敗するのか」「なぜ上手くいかないのか」……
より多くの人の意見を集約し、広い視点で現状を把握することが有効的です。
多くの人の意見を集約する方法には、様々なものがあります。
まず、ブレーンストーミングという方法です。
ブレーンストーミングは、批判禁止、自由奔放、質より量、結合改善というルールのもと、多くの意見を出す手法です。
このブレーンストーミングとKJ法を組み合わせる方法があります。
KJ法とは、アイデアを付箋などに書いてグループ化し、タイトルをつけて整理する方法です。
この2つの手法の組み合わせで、多くの意見をまとめることができるようになります。
次は、マインドマップです。
問題となる概念を中心に置き、それに関連する言葉を周囲に連結させていく手法です。
中心の大きな問題を解決するために必要な、小さな問題が見つかることがあります。
3つ目は、グループチャットです。
時間的、場所的な制限なく、いつでもどこでも意見を集めることができるのが特徴です。
2つ目は『問題の明確化』です。
目的(目指す最終到達点)と、目標(目的達成のための具体的な手段)を設定します。
「いつまでに」「どのような条件で」など、制約条件も明らかにしておきましょう。
目標設定のポイントは、
①対象が明確であること。
②全員が同じ内容を理解できること。
③実現可能であること
です。
目標が曖昧だったり、無理な目標設定をしてしまうと、うまく解決できません。
明確かつ、実現可能な目標を設定しましょう。
3つ目は『解決案の検討』です。
問題が明確になったら、解決に向けた情報収集を行い、整理・分析します。
情報の収集には、さまざまな方法があります。
検索サイトを利用したり、書籍・図書館を利用したりすることが有効です。
また、アンケートを実施したり、実際に現場に行ったりするなど、フィールドワークを行うのも良いでしょう。
次に、集めた情報を整理・分析します。
コンピュータに保存する場合は、後から見ても分かるようにファイル名を変更し、フォルダで整理します。
グラフや表でまとめると、他の情報と比較したり、傾向をつかめたりするようになります。
また、アンケートを行う場合は整理・分析しやすいよう、事前に質問や解答項目を考えると良いでしょう。
4つ目は『解決案の決定』です。
予算や時間、実行する人の能力などを確認し、実行可能な解決案を選択します。
このとき、すべてにおいて優れている解決案があればよいのですが、なかなかそうはいきません。
「1つ改善すれば他の要素が悪化する状況」をトレードオフといって、このような場合は、総合的に考えて、最も良い方法を選ぶ必要があります。
解決案が決まれば、計画の立案に移ります。
予算や時間、能力などを考慮し、無理のない計画を立案しましょう。
ガントチャートという表を作成すれば、工程を可視化できます。
また、グループ全員の合意形成(コンセンサス)を行ってから実施することが重要です。
5つ目は『解決案の実施と評価』です。
実施するだけでなく、評価して次の問題解決に役立てることが重要となってきます。
評価の方法も、
①本人が自分自身を評価する『自己評価』
②実行した者同士が互いに評価しあう『相互評価』
③実行した人とは違う人が評価する『外部評価』
などがあります。
評価の際はどの手順が悪かったのかを評価し、フィードバックを行うことも大切です。
例えば、解決案を立てる段階で無理があったのか、計画は良かったが、実施の際に失敗したのかなど、考える必要があります。
もし、実施の途中で大幅に計画から外れた場合は、途中でも解決案の検討に戻ることも大切です。
このように「実施したら終わり」ではなく、評価して次回につなげるようにしていきましょう。
【『情報Ⅰ』解説動画】1-(1) 情報社会と情報
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