こんにちは。福田泰裕です。
この記事では、高等学校で履修する『情報Ⅰ』第1章「情報社会の問題解決」より、「(4)知的財産権② 著作権」について解説していきます。
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目次
この記事の内容は、私がYoutubeに公開している『情報Ⅰ授業動画①-(4)』を文字起こししたものです。
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著作権とは、著作者の権利のことです。
出来映えに関係なく、著作物を創作した著作者に与えられる権利です。
文化庁が所管し、創作と同時に権利が発生する、無方式主義を取っています。
共同で制作し、著作権を分離できないものを共同著作物といい、全員が著作者となります。
ここでいう著作物とは、小説、脚本、論文、講演などの言語。
作詞、作曲などの音楽、映画、絵画、版画、彫刻などの美術、写真、コンピュータプログラムのことです。
専門家が作成したプロの美術品も、赤ちゃんが作成したお絵描きも、出来栄えに関係なく、著作権が自動的に発生するのが特徴です。
著作権は、著作者人格権と、財産権の2つに分けられます。
このうち、財産権のことを、単に著作権と呼ぶ場合がありますが、ここでは区別するために、財産権と呼びます。
まず、著作者人格権です。
著作者人格権は、著作者が精神的に傷つけられないようにするための権利です。
著作者のみに与えられ、譲渡・相続はできません。
著作者の死亡によって消滅しますが、著作者の死後も、権利を侵害するような行為は禁止されます。
そして、この著作者人格権は、公表権、氏名表示権、同一性保持権、の3つに分けられます。
著作者人格権の、3つの権利を見ていきましょう。
まず、公表権です。
公表権は、未公表の著作物を公表するかしないかを決定する権利です。
公表するタイミングは、著作者が自分で決めることができる、ということです。
次は、氏名表示権。
氏名表示権は、著作物を公表する時に、著作者名を表示するか、しないか、表示するとすれば、実名とするか、変名とするか、を決定する権利です。
3つ目は、同一性保持権です。
同一性保持権は、著作物の内容について、無断改変を禁止する権利です。
以上、3つを見てみると、勝手に公表されたら嫌なので、公表するタイミングは自分で決める。
勝手に名前を表示されたら嫌なので、名前を表示するかは自分で決める。
勝手に内容を書き換えられたら嫌なので、無断改変を禁止する。
というように、著作者の気持ちの面を守るのが、著作者人格権です。
次は、財産権です。
財産権は、著作者の財産的な利益を保護する権利です。
この財産権は、一部、または全部を、他人に譲渡・相続できます。
財産権をもつ人を著作権者といい、保護期間は、著作者の死後70年です。
ただし、無名・変名、団体、映画の著作物は、公表した翌年の1月1日から起算して70年です。
財産権には多くの種類の権利があるので、その一部を紹介します。
財産権は、著作者の利益を守る権利です。
例えば複製権は、著作物を複製する権利です。
複製すれば、著作物の価値が変わってしまいます。
そのため、著作物を複製できるのは、著作者のみとなります。
また、上演権は、上演することで観客から入場料を得ることができます。
そのため、著作物を上演することができるのは、著作者のみとなります。
このように、著作者の利益を守るために、様々なことを独占する権利が、著作者に与えられています。
これが、財産権の基本的な考え方です。
ここまでの、著作権の構成をまとめておきます。
著作権は、著作者人格権と、財産権に分けられます。
そして、著作者人格権は、公表権、氏名表示権、同一性保持権、の3つに分けられます。
また、財産権は、複製権、上演権など、多くの種類に分けられます。
この構成を、しっかり覚えておきましょう。
著作者の利益を守るのが財産権、と言いましたが、例えば私たちが音楽を楽しむとき、作曲家から直接音楽を購入することはありません。
作曲家と私たちの間には、実演する歌手や、CDを制作する制作会社などが入ります。
そして、この作曲家と私たちをつなぐ、歌手やCD制作会社にも、利益がなければいけません。
このように、著作者と私たちの間に入って、著作物を伝達する人、事業者を著作隣接権者といいます。
そして、この著作隣接権者たちの利益を守るため著作隣接権という権利が与えられます。
著作隣接権は、実演家の権利、レコード製作者の権利、放送事業者の権利、有線放送事業者の権利の4種類があります。
そのうち、人格権が与えられるのは、実演家の権利のみです。
今回は「実演家の権利」を紹介します。
実演家の権利は、実演家人格権と、財産権の2つに分けられます。
実演家人格権は、著作者人格権と似ており、著作隣接権者の人格、気持ちの面を保護する権利です。
氏名表示権と、同一性保持権の2種類があります。
著作物は公表されていることを前提としているので、公表権は付与されていません。
財産権は、許諾権と、報酬請求権、の2つに分けられます。
この権利は、著作権の財産権と同様、多くの種類があるので、その一部を紹介します。
許諾権は、録音権、録画権、送信可能化権、貸与権などの権利があり、
報酬請求権には、商業用レコード二次使用料を受ける権利、貸与報酬を受ける権利、などがあります。
まとめると、許諾権は、他人が無断で、著作物を録音、録画、送信、貸与することを止めさせることができる権利。
報酬請求権は、他人が放送、貸与などしたときに、使用料を請求できる権利です。
このような権利によって、著作隣接権者の利益が守られています。
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