こんにちは。福田泰裕です。
この記事では、高等学校で履修する『情報Ⅰ』第1章「情報社会の問題解決」より、「(2) 情報モラルと個人に及ぼす影響」について解説していきます。
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目次
この記事の内容は、私がYoutubeに公開している『情報Ⅰ授業動画①-(2)』を文字起こししたものです。
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私たちが社会で生きていくためには、ルールやマナーを守る必要があります。
ここで、ルールとマナーの違いをはっきりさせておきましょう。
法律、校則など、破ると罰則があるのがルールです。
それに対して、破っても罰則があるわけではありませんが、人として生きるために守るべきことをマナーといいます。
例えば「映画館では静かにする」「ご飯を食べるときは机に肘をつかない」というのは、破っても罰則があるわけではないので、マナーに分類されます。
そして、現実社会と同じように、インターネットの中の社会にも、ルールとマナーが存在します。
まず基本的に、現実で罰せられる行為は、インターネットの中でも同じように罰せられます。
架空請求、不正アクセスなどの行為も、法律によって罰せられます。
それに対して、インターネットの中の社会でのマナーにも、様々なものがあります。
例えば「個人情報を扱う際は最新の注意を払う」「文章を投稿するときは適度に改行する」などがマナーです。
これらの行為には罰則があるわけではありませんが、多くの人が気持ちよくインターネットを利用するためには、必要になってきます。
情報のモラルとマナーについて、まとめておきましょう。
モラルとは、『倫理・道徳』のことです。
情報社会で適正な活動を行うための元となる考え方や態度のことをいいます。
例えば、
・法律について知り、法律を守ること。
・発信する内容に責任を持つこと。
・他社の権利を尊重し、侵害しないこと。
・自分や他人の個人情報を公開しないこと。
・ネットの世界だけでしか知らない相手を簡単に信用しないこと。
などが挙げられます。
次に、情報のマナーです。
マナーとは、行儀、作法のことです。
他人と関わる際、その場でしかるべきとされる好ましい行動や、作法のことをいいます。
例えば、
・荒らし行為をしないこと。
・読みにくい文章を投稿しないこと。
・メールで即時の返信を強要しないこと。
・コンピュータウイルスに感染したコンピュータをネットに接続しないこと。
などが挙げられます。
またネットの世界では、思わぬトラブルが起こることがあります。
相手からの「明日テストなのに勉強していない」という投稿に対して、
現実世界での軽いノリで「バカじゃん!」と返信したらそこから喧嘩になってしまう、ということも起こります。
「そんなつもりで言ったんじゃないのに…」と思っても遅いのです。
私たちの普段のコミュニケーションは文字だけでなく、相手の表情や声色など、様々な要素から相手の気持ちを汲み取っています。
しかし文字だけのコミュニケーションでは、感情が伝わりにくいという欠点があります。
「これやっといて」という言葉が、お願いなのか強制なのか?
「バカじゃん」という言葉が、笑っているのか、怒っているのか?
文字だけでは、判断することができません。
意図しない感情で相手が受け取ってしまい、トラブルになってしまう場合があります。
投稿する前に、相手が正しく読み取ってくれるかどうか、もう一度読み直すようにしておきましょう。
次は、情報化が私たちに及ぼす影響について紹介していきます。
インターネットがなかった頃、娯楽の代表といえばテレビでした。
テレビで面白い番組を見ていても、いつかは終わります。
しかし、スマートフォンで面白い動画を見ていて、すべての動画を見終わるということはありません。
休みの日、気が付けば一日中動画を見ていた、という人もいるでしょう。
このように、情報機器に依存してしまうことをテクノ依存症といいます。
次に、私たちの身の回りには情報機器があふれていますが、コンピュータやスマートフォンの操作が苦手な人がいます。
その中には、日常生活や仕事でコンピュータを使うことに恐怖を感じている人もいるのです。
このように、情報機器を使う仕事に適合できないことをテクノ不安症といいます。
みなさんの中には、寝る時間なのに布団に入ってからスマートフォンを見るのを止められない、という人はいませんか?
人間はある程度の睡眠を取らないと、授業中の居眠り、成績の低下、遅刻、友人とのトラブルなど、様々な問題が生じやすくなります。
このように、日常生活に支障が出るほど依存した状態をネット依存といいます。
ネット依存とは、寝食を忘れてインターネットにのめり込んだり、インターネットへの接続を止められないと感じたりするなど、インターネットへ精神的に依存した状態のことです。
例えば、
・食事を忘れてネットゲームに没頭する。
・寝なくてはいけないのに、スマホを手放せない。
・スマホが手元にないと、不安になる。
といったことに心当たりがあれば、ネット依存なのかもしれません。
私たちは、スマホとうまく付き合っていくことが重要です。
それでは、若い世代のスマホ利用の実態を見てみましょう。
内閣府が毎年実施している『青少年のインターネット利用状況実態調査』というものがあります。
これの「青少年のインターネットの利用状況」を見てみると、なんと、高校生で1日あたり3時間以上と答えたのは約60%です。
平均利用時間も約267分と、4時間以上になっています。
このことから、高校生の多くがスマホにかなりの時間を取られていることが分かります。
つまり、スマホを断ち切って勉強することができるだけで、もう上位層なのかもしれませんね。
また、スマートフォンの利用で大事なのは、時間だけではありません。
例えば、
・道路や駅など危険な場所で歩きスマホをしない。
・図書館や映画館、美術館では電源を切る。
・自転車や自動車の運転中はスマホを操作しない。
・撮影する際は、相手の了承を得る。
などのマナーを守って利用しましょう。
近年、自動車の運転中にスマホを操作して、そのまま交通事故を起こす人が後を絶ちません。
それに伴って、2019年12月に道路交通法が改正され、スマホの「ながら運転」が厳罰化されました。
まず、運転中にスマホを保持して通話したり、スマホやカーナビの画面を注視していた場合。
改正後は罰金の金額が増えただけでなく、懲役刑も科されることになりました。
交通事故を起こさなくても、スマホを見ていただけで懲役刑にもなる可能性があるのです。
また、それらの行為をして実際に事故を起こしたり、起こしそうになった場合、懲役の期間が大幅に延長されました。
更に、違反の点数が6点になりました。
これは、一発で免許停止となる、重い罰則です。
このように、ながら運転に対する罰則が大幅に強化されました。
また、自転車を運転中の「ながら運転」にも5万円以下の罰金が科せられます。
高校生のみなさんも、気を付けてください。
その厳罰化によって、ながら運転に係る交通事故の件数は大幅に減少しました。
改正された道路交通法が施行された令和2年、交通事故・死亡事故は共に半減しました。
厳罰化の効果があった、ということでしょう。
【『情報Ⅰ』解説動画】1-(1) 情報社会と情報
【『情報Ⅰ』解説動画】1-(2) 情報モラルと個人に及ぼす影響
【『情報Ⅰ』解説動画】1-(3) 知的財産権① 産業財産権
【『情報Ⅰ』解説動画】1-(4) 知的財産権② 著作権
【『情報Ⅰ』解説動画】1-(5) 知的財産権③ 著作権の例外規定・CCライセンス
【『情報Ⅰ』解説動画】1-(6)個人情報の保護と管理
【『情報Ⅰ』解説動画】1-(7)新しい情報システム
【『情報Ⅰ』解説動画】1-(8)問題解決の手順
【『情報Ⅰ』解説動画】2-(1)メディアの発達
【『情報Ⅰ』解説動画】2-(2)コミュニケーションの形態
【『情報Ⅰ』解説動画】2-(3)情報デザイン
【『情報Ⅰ』解説動画】2-(4)アナログとデジタル
【『情報Ⅰ』解説動画】2-(5)2進数と10進数の基数変換(整数)
【『情報Ⅰ』解説動画】2-(6)2進数と16進数の基数変換
【『情報Ⅰ』解説動画】2-(7)2進数と10進数の基数変換(小数)
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