こんにちは。福田泰裕です。
テストを採点した後、平均点を計算すると思います。
しかし生徒からすると、
平均点は61.1点です!
私は75点だから平均よりは上だけど、上位何%なんだろう…?
と、生徒は平均点だけ知らされても集団の中の自分の位置を知ることはできません。
集団の中の自分の位置を知るためには、偏差値という指標を使います。
偏差値を求めて、集団の中でどのあたりに位置するのかを知ることができるのです。
この記事では、偏差値の意味について紹介していきます。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
目次
それでは、偏差値の意味について紹介していきます。
偏差値は、自分が集団のどのあたりに位置するのかを表す指標です。
平均点を取ったときは偏差値が50になり、点数が上がるほど偏差値も上がっていきます。
偏差値の計算方法は、次の通りです。
平均点 \(\bar{x}\)、標準偏差 \(s\) のテストで点数が \(x_i\) だったとき、偏差値は
$$\frac{x_i-\bar{x}}{s} \times 10 + 50$$
偏差値を見ると、自分が集団のどのあたりにいるのか分かります。
偏差値 | 上位からの割合 | 1000人中の順位 |
---|---|---|
80 | 0.13% | 1位 |
75 | 0.62% | 6位 |
70 | 2.28% | 22位 |
65 | 6.68% | 66位 |
60 | 15.87% | 158位 |
55 | 30.85% | 308位 |
50 | 50.00% | 500位 |
45 | 69.15% | 691位 |
40 | 84.13% | 841位 |
35 | 93.32% | 933位 |
30 | 97.72% | 977位 |
なぜ偏差値で集団のどのあたりにいるのかが分かるのかというと、正規分布から求められているためです。
大人数でテストを受けたとき、結果は平均点 \(\bar{x}\) の周りに多く集まり、遠くなるほど人数が少なくなっていくはずです。
そのときの得点と人数をグラフにすると、次のようになるはずなのです👇
適切なテストが大人数によって行われた場合、上のグラフのように平均点の近くに人が集まります。
そして、偏差値の計算で使用した「標準偏差 \(s\) 」が何を意味しているのかというと、
「平均点 ± 標準偏差 \(s\) 」の区間に、全体の68%が入っている
ということを表しています。
グラフは平均点を軸に左右対称なので、平均点の左側と右側それぞれに34%ずつ入っているということになります👇
さらに細かく計算していくと、それぞれの区間に何%の人が入っているのか分かります。
上のグラフを把握していれば、平均点と標準偏差があれば自分がどこに位置するのか分かります。
しかし、実際のテストは平均点も標準偏差も毎回違うので、いちいち計算するのは大変です。
そこで生まれたのが「偏差値」です。
偏差値とは、平均点を50点、標準偏差を10点に置き換えたものです。
つまり、上のグラフで平均点を \(50\) 、標準偏差の幅を \(s=10\) とすると…👇
このようになります。
これで偏差値さえ見れば、自分が集団のどのあたりにいるか分かるのです。
このように、偏差値を計算することで集団のどのあたりにいるのかを知ることができます。
しかし、これはあくまでも「適正なテストを大人数で実施した場合」に適用できるのです。
例えば受験者数が10人しかいないような場合、偏差値を求める必要はありません👇
また、テストの難易度を誤ったり…👇
結果が二極化してしまった場合も偏差値は意味をなしません👇
偏差値を意味のあるものにするためには、難易度が適正なテストを作成しなければなりません。
いかがでしたでしょうか。
偏差値は高校生になって模試を受験するようになると、急に意識するようになります。
第一志望の○○大学は偏差値が60!
頑張って上げていこう!
その目標とする大学に入るための偏差値は上位何%に入る必要があるのか?
考えてみると面白いかもしれませんね。
また、この記事を読んで
偏差値50が平均。
55だとちょっと凄い。
60だとかなり凄いよ!
と生徒に紹介していた方が、
偏差値50が平均。
55だと、上位31%。
60だと、上位16%だよ!
というように紹介できるようになってもらえると嬉しいです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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