こんにちは。福田泰裕です。
近年、教師の働き方が問題になっています。
業務内容の多様化により、多くの教師がサービス残業を余儀なくされている現状があります。
そのため、現場では少しでも業務の改善を図り、残業時間を減らそうと努力しています。
しかし、学校には法令で定められていて削減できない業務もあります。
この記事では、法令で義務付けられた業務を紹介します。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
目次
法令で学校に義務付けられた業務等
この記事は、文部科学省が平成29年8月4日に出した「学校における働き方改革特別会議」の資料から作成しました。
資料の全文は、こちらをご覧ください👇
この記事では、上の資料を要約して紹介していきます。
外部対応、校外の業務①:保護者、PTA対応
障害のある児童生徒等への合理的配慮の提供
根拠:障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律第7条
本人・保護者からの社会的障壁の除去を必要としている意思の表明があった場合は、合理的な配慮をするように努めなければならない。
外部対応、校外の業務②:地域対応
地域における特別支援教育のセンター的機能
根拠:学校教育法第74条、平成19年4月1日付け初等中等教育局通知
特別支援学校においては、小学校、中学校等の要請に応じて、特別の支援を
必要とする児童生徒等の教育に関し必要な助言又は援助を行うよう努める。
外部対応、校外の業務③:行政・関係団体対応
自立相談支援員等との連携
根拠:平成27年3月27日付け「生活困窮者自立支援制度に関する学校や教育委員会等と福祉関係機関との連携について(通知)」
生活困窮家庭の児童生徒等に関する情報を自立相談支援員等と共有し、また、自立相談支援機関との協力体制の構築に努める。
地域の関係機関等との連携(安全関係)
根拠:学校保健安全法第30条、学校保健安全法第10条
児童生徒の安全確保に関し、保護者、警察署等の関係機関、関係団体、地域
住民等との連携を図るよう努めること。
(学校が、連携を図ることについて、努力義務が規定されている。)
児童虐待の早期発見及び対処等
根拠:児童虐待防止法第5条、第6条、13条の4、児童福祉法25条の2、平成28年10月17日付け「平成28年度「児童虐待防止推進月間」の実施について(通知)」
児童虐待の早期発見に努め、虐待を発見した者は、福祉事務所又は児童相談所に通告を実施する。また、学校において、児童虐待防止にかかる研修を実施する。さらに、関係機関との連携強化のための情報共有や家庭教育支援の取組を実施する。
自殺対策の推進
根拠:自殺対策基本法第8条
自殺対策の推進のため、国、地方公共団体、医療機関、事業主、学校、民間団体等の関係者は、相互に連携・協力する。
問題行動への対応
根拠:平成19年2月5日付け初等中等教育局長通知、平成14年5月27日付け初等中等教育局長通知等
少年非行や暴力行為等の問題行動について、警察等の関係機関と連携し対応する。
関係者相互の連携及び協働(スポーツ基本法関係)
根拠:スポーツ基本法第7条
学校は、スポーツ基本法の基本理念の実現を図るため、相互に連携を図りながら協働するよう努めなければならない。
入学期日等の通知、学校の指定
根拠:学校教育法施行令第6条の2、3、4
特別支援学校に在学する児童生徒等が①視覚障害者等でなくなった場合、②小・中学校に就学することが適当であると思料する変化があった場合校長
が都道府県の教育委員会に対し、その旨を通知しなければならない。(特別支
援学校の義務)
小中学校等に在学する児童生徒が①視覚障害者等でなくなった場合、校長は市町村教育委員会にその旨を通知しなければならない。
区域外就学等
根拠:学校教育法施行令第10条、第18条
区域外の学校に在学する児童生徒等が修了前に退学したときは、校長はその旨を教育委員会に通知しなければならない。
(※特別支援学校においても同様)
特別支援学校への就学についての通知
根拠:学校教育法施行令第12条、12条の2
小中学校等に在学する児童生徒等が①視覚障害者等になった場合②障害の状態等により小中学校に就学させることが適当でなくなった場合、校長はその旨を教育委員会に通知しなければならない。
在学する学齢児童生徒の出席状況の把握、教育委員会への通知等
根拠:学校教育法施行令第19条、第20条
校長は、常に、その学校に在学する学齢児童生徒の出席状況を明らかにし、その状況が良好でない場合において、その出席させないことについて保護者に正当な事由がないと認められるときは、校長は速やかにその旨を教育委員会に通知する。
外部対応、校外の業務④:校務としての研修
教員の研修
根拠:教育基本法第9条、教育公務員特例法第21条
教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。(努力義務)
外部対応、校外の業務⑤:その他の校務
外国人児童生徒の受け入れ
根拠:平成24年7月5日付け「外国人の子どもの就学機会の確保に当たっての留意点について(通知)」(※一義的には、設置者(市町村教育委員会)の義務)
外国人がその保護する子を公立の義務教育諸学校に就学させることを希望する場合、受け入れなければならない。
まとめ:学校の業務は本当に幅広い!
いかがでしたでしょうか。
こうして一覧にすると、学校の業務の幅広さに驚きです。
警察や児童福祉施設と協力して、教育委員会へ通知しながら、子どもたちの教育を行っていく必要があるのですね。
働き方改革が叫ばれていますが、校外との関係を変えるのは難しいと思われます。
まずは校内の業務を見直すのが先になるかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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