こんにちは。福田泰裕です。
近年、教師の働き方が問題になっています。
業務内容の多様化により、多くの教師がサービス残業を余儀なくされている現状があります。
そのため、現場では少しでも業務の改善を図り、残業時間を減らそうと努力しています。
しかし、学校には法令で定められていて削減できない業務もあります。
この記事では、法令で義務付けられた業務を紹介します。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
目次
この記事は、文部科学省が平成29年8月4日に出した「学校における働き方改革特別会議」の資料から作成しました。
資料の全文は、こちらをご覧ください👇
この記事では、上の資料を要約して紹介していきます。
根拠:学校教育法第43条
学校において全職員の校務を分担する組織を有機的に編制する。
(学校においては校務分掌の仕組みを整えるものとされている。)
根拠:地方公務員法第23条の2
管理職が、所属職員の人事評価を実施し、記録する。
根拠:学校保健安全法第5条
学校環境衛生基準に基づき、毎学年定期に環境衛生検査を実施する。
(学校に実施が義務付けられている。)
根拠:学校保健安全法第27条・第28条、同法施行規則第28条、第29条
学校環境の安全の確保のため、学校において策定する「学校安全計画」に基づき、施設設備の改善や定期的・日常的な安全点検等を実施する。
(校長は、安全確保を図る上で支障があると認めた時は、改善を図るために必要な措置を講じることとされている。)
根拠:学校給食法第9条、学校給食衛生管理基準、HACCPの概念に基づき示された大量調理施設衛生管理マニュアル(厚生労働省)
学校給食の施設・設備の整備・管理、調理過程等における衛生管理、衛生管理体制の整備、日常及び臨時の衛生検査等を実施する。
(学校給食を実施する学校設置者に義務付けられており、主には、栄養教諭・学校栄養職員等が行っている。)
根拠:学校教育法施行規則第79条の9第2項
中学校併設型小学校及び小学校併設型中学校においては、小中一貫教育を施すためにふさわしい運営の仕組みを整えるものとする。
根拠:平成29年2月3日付け初等中等教育局長通知
学校内の関係者が情報を共有し、教育相談にチームとして取り組むため、解決すべき問題又は課題のある事案について、必ず支援・対応策を検討するためのケース会議を実施する。
根拠:平成19年4月1日付け初等中等教育局長通知
全校的な支援体制を確立し、障害のある児童生徒の実態把握や支援方策の検討等を実施する。
根拠:学校基本調査規則第6条
学校に関する基本的事項を明らかにするため、毎年度悉皆で実施される、統計法上の基幹統計であり、学校の長は、調査票により報告することが義務付けられている。
根拠:学校保健統計調査規則第6条
児童・生徒等の発育状態及び健康状態を明らかにするため、毎年度抽出で実施される、統計法上の基幹統計であり、学校の長は、調査票により報告することが義務付けられている。
根拠:学校教員統計調査規則第6条
学校の教員構成、教員の属性、職務態様及び異動状況等を明らかにするため、3年に1度、悉皆で実施される、統計法上の基幹統計であり、学校の長は、調査票により報告することが義務付けられている。
根拠:学校教育法第42条・第43条、学校教育法施行規則第66条・第67条・第68条
各学校が自らの教育活動その他の学校運営の状況について評価を実施。
(学校には、自己評価の実施、評価結果の公表、評価結果の設置者への報告が義務付けられている。また、学校関係者評価の実施、評価結果の公表は努力義務となっている。さらに、学校関係者評価を実施した場合、当該評価結果の設置者への報告が義務付けられている。)
根拠:地教行法第47条の6第4項
学校の運営に関して基本的な方針を作成し、学校運営協議会の承認を得る。
(学校運営協議会が設置された学校の校長に義務付けられている。)
根拠:労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン(平成29年1月20日厚労省作成)
職員の勤務日ごとの始業・終業時刻を確認し、記録する。
根拠:労働基準法第108条
使用者(※市町村教育委員会や学校長)は、労働日数、労働時間数、休日労働時間数等を記入した賃金台帳を調製することが義務付けられている。
根拠:学校保健安全法第5条
健康診断、環境衛生検査、児童生徒等に対する指導その他保健に関する事項を定める「学校保健計画」の策定等。
(学校においては策定及びその実施が義務付けられている。)
根拠:消防法(※安全指導の一環としても実施)
防火管理に係る消防計画の作成、消防計画に基づく消火、通報及び避難の訓練の実施。
(学校においては防火管理者に消防計画の作成、訓練の実施が義務付けられている。)
根拠:学校保健安全法第27条
安全点検・安全指導・教職員研修等に関する事項を定める「学校安全計画」の策定等。
(学校においては策定及びその実施が義務付けられている。)
根拠:学校保健安全法第29条
事故等の発生時において教職員が取るべき措置等を定める「危険等発生時対処要領(危機管理マニュアル)」の作成等。
(学校においては作成及び訓練の実施等が義務付けられている。)
根拠:学校給食法第10条
学校給食を活用した食に関する指導が効果的に行われるよう、学校給食と関連しつつ学校における「食に関する指導の全体計画」を作成。
(校長に義務付けられている。)
根拠:教育機会確保法基本指針(平成29年3月31日文部科学大臣決定)、平成28年9月14日付け初等中等教育局長通知
個々の児童生徒ごとに不登校になったきっかけや継続理由等を把握して支援策を策定し、必要に応じ、関係機関や関係者間と情報共有や学校間の引継ぎを行う。
(学級担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー等の学校関係者が中心となる。)
根拠:平成26年7月1日付け「「子供の自殺が起きたときの背景調査の指針」の改訂について(通知)」
子供の自殺又は自殺が疑われる死亡事案が起きたときに、その背景について調査を実施する。
根拠:教育基本法第9条、教育公務員特例法第21条
教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。(努力義務)
いかがでしたでしょうか。
こうして見ていくと、「そんなことまでやるの!?」というような業務もあるかもしれません。
学校の業務は本当に幅広く、子どもの教育をすべて担っているようにも感じます。
教師の働き方改革が進み、各学校で業務の改善が図られています。
まずは法令で義務付けられた業務を把握し、それ以外の業務から削減していくようにしましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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