こんにちは。福田泰裕です。
現在、教員の仕事が忙しすぎるということがニュースなどに取り上げれるようになっています。
働き方改革が叫ばれている現在、教員も働き方を見直さなければなりません。
その前に、現在の教員の職務について、法律ではどのように定められているのかを確認しておきましょう!
今回は、教師の職務について、勤務時間内の職務と超勤4項目について紹介します。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
目次
教員の職務とは?
教員の職務とは、「校務」のうち職員に与えられて果たすべき任務・担当する役割です。
具体的には、児童生徒の教育、教務・生徒指導または会計等の事務、時間外勤務としての非常災害時などです。
また、校務とは、学校全体の仕事です。
学校全体の仕事とは、学校がその目的である教育事業を遂行するために必要とされる仕事です。
具体的には、
- 教育課程に基づく学習指導などの教育活動に関すること
- 学校の施設設備、教材教具に関すること
- 文書作成処理や人事管理事務や会計事務などの学校の内部事務に関すること
- 教育委員会などの行政機関やPTA、社会教育団体など各種団体との連絡調整などの渉外に関すること
などです。( 文部科学省HP より)
この職務の遂行中またはそれに付随する行為の際の負傷は、公務上の災害として補償が行われます。
勤務時間内の職務について(職務専念義務)
まず、勤務時間内の職務について見ていきましょう。
公立学校の教員は公務員であるため、勤務時間内は職務専念義務があります。
職員は、法律又は条例に特別の定がある場合を除く外、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用い、当該地方公共団体がなすべき責を有する職務にのみ従事しなければならない。
地方公務員法35条(職務に専念する義務)
もし勤務時間内に職務以外のことを行う場合は、有給休暇を取得して対応する必要があります。
勤務時間外の職務について(超勤4項目)
次に、勤務時間外に行われる職務について見ていきましょう。
まず理解してほしいのは、そもそも教員は勤務時間外に職務を行うことを考えられていないということです。
教員は勤務時間の割り振りなどにより、時間外勤務が生じないようにすることとなっています。
また、どうしても勤務時間外に職務を行う必要がある場合に関しては、労働基準法第33条第3項に書かれています。
公務のために臨時の必要がある場合においては、第一項の規定にかかわらず、官公署の事業(別表第一に掲げる事業を除く。)に従事する国家公務員及び地方公務員については、第三十二条から前条まで若しくは第四十条の労働時間を延長し、又は第三十五条の休日に労働させることができる。
労働基準法 第33条 第3項(災害等による臨時の必要がある場合の時間外労働等)
公務のための臨時の必要がある場合のみ、勤務時間外の労働を行うことになっています。
その「臨時の必要がある場合」というのが、いわゆる「超勤4項目」です。
【超勤4項目】( 文部科学省HP より)
①教育職員については、正規の勤務時間の割振りを適正に行い、原則として時間外勤務を命じないものとすること。
②教育職員に対し時間外勤務を命ずる場合は、次に掲げる業務に従事する場合であって臨時又は緊急のやむを得ない必要があるときに限るものとすること。
イ 校外実習その他生徒の実習に関する業務
ロ 修学旅行その他学校の行事に関する業務
ハ 職員会議(設置者の定めるところにより学校に置かれるものをいう。)に関する業務
ニ 非常災害の場合、児童又は生徒の指導に関し緊急の措置を必要とする場合その他やむを得ない場合に必要な業務
校外実習、修学旅行、職員会議、非常災害の4項目の場合に限ってのみ、時間外の労働として認められています。
この超勤4項目以外の勤務時間外の業務は、教員の自発的行為として整理されています。
例えば、翌日の授業準備や、行事に向けての準備、課外授業、部活動など‥‥‥
こういった業務は、私たち教員は「仕事」だと思っているかもしれませんが、実は教員の自発的行為、言い換えれば「好きでやっている行為」と捉えられているのです。
これらの自発的行為は「好きでやっている行為」なので、公費支給は認められていません。
事故や怪我などが起きた場合も公務災害補償の対象とはなりません。
まとめ:働き方改革の前に、職務を知ることが大事
いかがでしたでしょうか。
今回の記事をまとめると、次のようになります。
働き方改革を進める前に、まず私たちが普段行っている仕事のうち、どこまでが職務なのかを知ることがとても大事です。
超勤4項目以外の勤務時間外の行為については「自発的行為」と捉えられてしまうので、まずは勤務時間内にすべての職務が終わるように業務の精選を行い、授業に専念できる環境を整えていきましょう!
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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