こんにちは。福田泰裕です。
今回は、楽しい数学クイズを出題します。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
目次
それでは、問題です。
問題
南へ1km、東へ1km、北へ1kmずつ進み、元の場所に戻るのはどこか。
ちなみに、答えは1か所ではありません。
何か所あるか考えてから、次に進んでみてください!
この問題は、平面で考えるとダメです。
普通に南、東、北へ1kmずつ進めば…👇
このように、元の場所に戻ることはできません。
この問題は平面で考えていてはダメなのです。
つまり…?
問題文に、南、東、北という方角が出てきました。
これらの方角は、どうやって決まるのでしょうか。
「北」をWikipediaで調べてみると…
北(きた)は、地表に沿って北極点に向かう方位。
Wikipedia 「北」
と書かれています。
なるほど、「北」とは北極点に向かう方向なのですね…
これらのヒントから、この問題は地球規模(球面)で考える方が良さそうです。
普通に南、東、北へ進んでも元に戻れないので、特別な点で考えてみましょう。
まず1つ目の答えは、北極点です。
北極点からスタートして、南、東、北へそれぞれ1kmずつ進むと、下のような経路になります👇
確かに、元の場所に戻ることができましたね!
北極点を思いついた人は、まあまあ頭が柔らかい人だと思います。
そこで、北極にあるなら南極にはないのかな?と考えませんでしたか?
しかし南極点からスタートすると、最初の「南へ1km」で困ってしまいます。
南極点にいるときは、それ以上南へ進むことができません。
そのため、南極点からスタートしてはいけません。
じゃあ南極には無いのかな‥‥‥と考えるかもしれませんが、実はあります。
次のような経路をたどれば良いのです👇
東へ1km進んだとき、地球を1周して元の位置に戻ることができれば、北へ1km進んでスタート地点に戻ることができます。
では、このスタート地点は一体どこなのでしょうか。
南極点の周りを抜き出すと、下のようになります👇
東へ1km進む際の円の半径を \(r\) [km]とすると、円周は1kmなので、
\(2\pi r = 1\)
という式が成り立ちます。
よって、
$$r = \frac{1}{2 \pi}$$
となります。
つまり、南極点から北へ \(\displaystyle 1+\frac{1}{2 \pi}\) [km]進んだ地点となります。
この赤線上のどこかからスタートすれば、南極点を1周まわって戻ることができます。
しかし、実はまだあります。
上の説明では「東に1km」で「南極点の周りを1周」しました。
しかし、「東へ1km」で南極点の周りを2周しても同じ結果になります。
ということは、3周しても、4周しても同じ結果になりそうです。
全部まとめて、「東へ1km」で「南極点の周りを \(n\) 周する」とすると、円周は \(\displaystyle \frac{1}{n}\) [km] となるので…👇
東へ1km進む際の円の半径を \(r\) [km]とすると、円周は \(\displaystyle \frac{1}{n}\) [km] なので、
$$2\pi r = \frac{1}{n}$$
という式が成り立ちます。
よって、
$$r = \frac{1}{2n \pi}$$
となります。
つまり、南極点から北へ \(\displaystyle 1+\frac{1}{2n \pi}\) [km]進んだ地点となります。
答えを図に表すと…
このように、南極点の周りは答えが無限にあるということです。
いかがでしたでしょうか。
今回の記事をまとめると、次のようになります。
南へ1km、東へ1km、北へ1kmずつ進み、元の場所に戻るのは、
北極点は思いつきやすいですが、南極点の周りの点を思いつくのはとても難しいですね。
もし初見でこれを見つけられたら、かなり柔らかい頭の持ち主だと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
質問やご意見、ご感想などがあればコメント欄にお願いします👇