こんにちは。福田泰裕です。
中学や高校では国語や数学などの学習だけでなく、進路について考える時間があります。
なぜこのような時間があるのかと言うと、進路選択がとても重要だからです。
しかし「進路選択」と言っても、中学校と高校では進路選択に大きな違いがあります。
今回は現役高校教師である私が、中学校と高校の進路選択の違いについて解説していきます。
最後まで読んでいただけると嬉しいです。
目次
中学生での進路選択は、
私の内申点と学力だと、地区で2番手の〇〇高校かな…
というように、自分の内申点と学力を見て、自分の住んでいる地区から合格しそうな高校を選ぶのが普通だと思います。
工業科や商業科などの専門学科へ進むならば話は別ですが、普通科へ進学する場合は将来なりたい職業を意識することはほとんどないでしょう。
最も重視するのは、自分の学力に合った学校であることです。
あなたが高校受験を考えるとき、候補は何校ありましたか?
地区1番手の◇◇高校は難しそう‥‥‥
地区2番手の〇〇高校なら合格するかな‥‥‥
滑り止めに私立の△△高校と☆☆高校も受けておこう‥‥‥
というように、公立が2~3校、私立は多くても5~10校程度の中から選んだのではないかと思います。
しかも、中学3年生の担任の先生から
あなたの成績なら、◇◇高校は厳しいかな。
〇〇高校なら合格するかもしれないね。
というように、合格しそうな地元の学校を選んでくれる場合もあるでしょう。
更に、都市部と地方では大きく事情が異なります。
都市部は高校の数が多く、選択肢が多いです。
しかし地方では高校の数が少ないため、普通科に限定すると地元に1校や2校しか高校が無い場合もあります。
このように、自分の学力に合った学校を地元にある数校から選ぶのが中学校での進路選択です。
一方、高校での進路選択は異なります。
高校での進路選択は、
将来は〇〇になりたいから、◇◇大学の△△学部へ行こう!
というように、卒業後の進路を意識して、全国の学校から進学先を選ぶことになります。
進学するのか就職するのか、もし進学するなら大学・短大・専門学校のどれなのか、そしてどの学校か…と、選択の幅が中学校とは比べ物になりません。
そして最も異なるのが、卒業後の進路を意識するという点です。
例えば高校時代にとても優秀な成績で、有名大学の医学部に合格したのに
将来は医者じゃなくて、建築士になりたいなぁ‥‥‥
と思うのであれば、それは進路選択を失敗したと言えるでしょう。
点が取れるからといって有名大学の医学部へ入っても、建築士にはなれません。
(※厳密には「建築士になれない」ことはありません。もう一度建築系の学部へ入り直すか、実務経験を積めば建築士になることはできます。)
例えどれだけテストで高得点が取れたとしても、将来の目標につながるような進路選択をしなければダメなのです。
しかし将来の目標を決めたとしても、もう一つ大きな問題があります!
それは、全国の学校から進学先を選ぶということです。
高校受験と違い、大学受験や短大・専門学校の受験には「学区」というものはありません。
誰がどの学校を受験しても良いのです。
そのため、都市部でも地方でも関係なく受験できます。
しかし選択肢が多いというのは、逆に難しいのです。
例えば建築士になりたくて、「建築系の学部を目指す」と決めたとします。
しかし、全国に建築系の学部を設置している大学はたくさんあります。
模試を受けて偏差値が分かると何となくの目安は付きますが、偏差値だけで1つに絞ることは難しいでしょう。
学校によって実習が多かったり、設備が整っていたり、講師が有名な方だったり…という特色もあります。
また、学校によって卒業生の進路も違います。
この大学で勉強したら僕はどこに就職して、どんな風に働くんだろう‥‥‥
ということを考えながら進学先を決めていくのです。
つまり、「将来の目標 → 学部 → 学校」という順番で決定していきます。
単に「〇〇点取れるからあの大学!」ではありません。
このように、卒業後の進路を考えて全国から自分に合った学校を見つけるのが高校での進路選択です。
いかがでしたでしょうか。
今回の記事をまとめると、次のようになります。
こうしてみると、中学校と高校の進路選択は全く別物ですね。
高校での進路選択は選択肢が多いので、決定するのはとても長い時間がかかります。
更に進学する学部によって人生が大きく変わってくるので、慎重に決めなければなりません。
高校1年生のうちから将来のことを考えておいて損はないと思います。
学校の勉強も大事ですが、将来のことを考える時間をつくりましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
質問やご意見、ご感想などがあればコメント欄にお願いします👇