こんにちは。福田泰裕です。
教師の仕事で最も大変であり、最もやりがいのある仕事がクラス担任ですね。
生徒との距離が近いぶん、楽しい時もつらい時も一緒にいなくてはいけません。
ここで難しいのが、生徒との距離感です。
特に若いうちは、生徒がどんどんこちらに寄ってきます。
放っておくと友だちのようになってしまい、クラス経営が難しくなります。
また逆に、厳しくしすぎると委縮していまい、元気のないクラスになってしまいます。
今回は、生徒指導はサッカーのディフェンスと同じであるというお話をします。
ふざけていません。
とっても真面目なお話です。
最後まで読んでいただけると嬉しいです!
目次
サッカーのディフェンスをご存じでしょうか?
上の写真は、世界一のプレイヤーであるメッシ(左)と、対峙するディフェンダーのマルセロ(右)との1対1の場面です。
ただぼーっと立っているように見えますが、そうではありません。
このときメッシは、マルセロの足の動きを見ています。
マルセロがボールを奪いに足を出してきたとき、逆を突こうとしているのです。
それに対するマルセロは、足を出して奪いにいくわけにはいきません。
だからと言って、メッシと離れすぎるとシュートやパスを出されてしまいます。
そのため、メッシが抜くことも蹴ることもできない適切な距離を保ち続けます。
メッシが1歩前へ出ればマルセロは1歩下がり、メッシが1歩下がればマルセロは1歩前へ出る。
サッカーのディフェンスは、相手に合わせて前後に動くのが鉄則です。
そして、メッシに隙ができたときに初めてボールを奪いにいくのです。
サッカーのディフェンスの鉄則
・足を出して、ボールを奪いにいくと負け。
・相手に合わせて、適切な距離を保ち続ける。
・ボールを奪いに行くのは、相手に隙ができたときだけ。
もうお分かりかもしれませんが、上に挙げたサッカーのディフェンスの鉄則は、そのまま生徒指導のお話になります。
サッカーのディフェンスでは、足を出してボールを奪いに行くと負けです。
同じように、生徒と関わる際に教師が積極的になりすぎると失敗します。
例えば、教室に行くと生徒たちは仲良しグループで話をしています。
そこに適度に入っていくのは大事なことですが、あまりにも頻繁に入っていったり、深入りしすぎたり、話題をもっていったりすると生徒から嫌われます。
生徒と教師は友達ではありません。
また、小さなことですぐに起こっていても失敗します。
あまりにも叱りすぎると、生徒は教師の機嫌を伺って行動するようになります。
また、生徒も「また怒ってるよ…」と感じるようになってしまい、本当に大事なときがぼやけてしまいます。
生徒は立派な1人の人間です。
友達との会話には関与せず、小さなことで怒らない。
生徒指導は積極的になりすぎると失敗するのです。
生徒指導は積極的になりすぎると失敗する。
サッカーのディフェンスでは、相手にドリブルで抜かれたり、ボールを蹴られたりしないよう、適切な距離を保つのが鉄則です。
生徒指導でも、生徒と近づきすぎず離れすぎず、生徒が1歩こちらへ寄ってきたら教師は1歩下がり、生徒が1歩下がったら教師は1歩前へ出ることが大事です。
例えば若い教師の場合。
生徒はグイグイ近づいてくると思います。
教師も年が近いため友達のような感覚に陥ってしまい、仲良くなりすぎることがあります。
そうなると、頼み事をしても無視されたり、注意すべきときに指導を聞かなくなったりします。
これでは生徒指導が失敗します。
そういうときは、教師側から距離を取ることが求められます。
などの術を使って、生徒と近づきすぎないようにしましょう。
また、年配の教師の場合は逆のことがよく起こります。
生徒は基本的に教師と距離を置こうとします。
あまり離れすぎてしまうと生徒との会話が少なくなってしまい、クラス運営は難しいです。
そういうときは、教師側が生徒に歩み寄る必要があります。
など、生徒が親しみやすいと思えるように振る舞いましょう。
生徒が1歩近づいてきたら教師は1歩下がる。
生徒が1歩遠くへいったら教師は1歩前へ出る。
生徒指導の基本は、生徒との適切な距離を保ち続けること。
サッカーのディフェンスでは、相手に隙ができたときだけボールを奪うアクションを起こします。
タイミングが早くても遅くても失敗します。
生徒指導でも、生徒を叱るのは大事なときのみにして、タイミングを逃さないことが大切です。
生徒が授業中に友人と手紙を回していたり、スマホを使っていたり、窓ガラスが割れたりした場合は、呼び出して注意すると思います。
一番タイミングが難しいのが、授業が始まっているのにザワザワしていて静かにならなかったり、誰かが発表したことをクスクスと笑う人がいたり…といった“小さなこと”が起きたときです。
この小さな変化を許してしまうと、次はエスカレートするかもしれない。
今後エスカレートしないために、今のうちに注意しておこう。
というときに、適切に叱るべきです。
それも大声で怒鳴り狂うのではなく、なぜダメなのかをハッキリさせて、相手に理解させるように言葉を選んで叱ることが大切です。
この小さな変化のタイミングを逃してしまうと、あとで手が付けられなくなるほど発展することもあります。
少しでも悪い方へ向かう変化があれば、そのタイミングを逃さず注意しましょう。
生徒を叱るのは、生徒が小さな悪いことをしたときにしっかりと。
タイミングを逃すと、あとで手が付けられなくなる。
サッカーのディフェンスは基本的に相手の隙ができるまでボールを奪うことはなく、攻めて側が主導権をもっています。守備側は隙ができるまでずっと耐える必要があります。
生徒指導も同じで、生徒が主導権を握っています。
教師は生徒に合わせて動きつつ、ここぞという時に叱るのです。
これはとても時間のかかることです。
初めて出会った生徒とは距離が分からないので、うまく叱ることはできません。
日頃から適切な距離を保っているからこそ、叱るときも適切に叱ることができるのです。
生徒指導は日頃からの積み上げです。
時間のかかることですが、教師は教育のプロとして頑張っていきましょう。
今回の記事をまとめると、以下のようになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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