こんにちは。福田泰裕です。
センター試験も、2020年の31回目をもって終了となりました。
これまでセンター試験は30回行われ、対策が進むために変わった問題が相次ぐようになっていました。
2年前はムーミン、昨年はリスニング四天王など、毎年話題と興奮を与えてくれるセンター試験です。
「今年はどんな話題を提供してくれるんだろう……」
そんな思いで最後のセンター試験を待ち望む人が多くいました。
センター試験事件簿その6【2015年~2019年】はこちら👇
それでは、センター試験事件簿 最終回【2020年】です。
ぜひ、最後まで読んで読んでください!
目次
最終回となったセンター試験。
やはり今回も、多くの人の期待に応える問題となりました。
倫理の第1問は、高校生KとRの会話から始まります。
K: 昨日の番組見た? 科学の進歩はすごいね。 一番印象的だったのは、将来人工知能搭載の人型ロボットが人間の代わりに働く社会になるって話! |
R: 見たよー。 ロボットが色々やってくれたら、人間はもっと自由になるね! |
K: だねー! あと、ロボットに頼って暮らすようになると、人間同士の関係が疎遠になって、感情的なつながりが希薄になっていくって話もあったなぁ。 |
R: あったあった。 ロボットと友達になるだなんて、たぶん無理だろうしね。 つらいときはいつでも慰め合うような深い結び付きがあってこその友達だもの。 |
K: え?そんな傷を舐め合うような関係が友達なの? むしろ、批判し合いながら精神的に自立した強い個人を目指して一緒に高め合うのが友達でしょ? |
R: いや、人間は根本的に弱いから友達と助け合ううんでしょ。 でも、そのためにはまず、お互いの気持ちから何から全部わかってるくらいの関係でないと。 |
K: ぷっ、プライバシーもないってこと? その距離感は少しおかしくない? |
R: それくらいじゃないと、いつでもすぐに助け合おうとは思えないかなって。 |
K: えーっ、いつでも助けてもらおうなんて甘えだよ。 一人でも強くならないと。 |
R: ……さっきから強く強くって、求めすぎだよ! 失恋や挫折で傷ついたときに、友達に泣き付くくらいの弱さがあったっていいじゃない! |
K: なるほどねぇ…… だだやっぱり、弱いからって助けや支援を常に当てにするのは依存の状態なんだと思う。 それだと個人として成長できないよね? |
R: んー、成長は大事だけど、でも、自分が強くなる代わりに、他人の弱さを気に留めなくなって一人平然としているのなら、それこそロボットみたいじゃない? |
K: そっかぁ。人間は不完全で弱いから、お互いの欠点を批判して高め合うためだけじゃなく、支え合って一緒に生きていくためにも、友達が必要になるんだね。 |
R: うん。でも、こっちの言い分も、ちょっと極端だったのかも。 弱さを認め合うのも大事だけど、友達と共に成長していくことも忘れちゃいけないね。 |
確認ですが、これはライトノベルではなくセンター試験です。
Kのウザさが際立ちます。
一体、Kの過去に何があったのでしょうか……。
「日本史B」の問題に、インパクトのある風刺画が掲載されました。
突然この絵が出てきたら、吹き出してしまいそうです。
2012年のセンター試験「地理B」で間違い探しが始まったという記事を過去にご紹介しました。
その再来とも思える間違い探しが、「国語」に表われました。
しかも今回は選択肢なので、解答に大きく影響する間違い探しです。
「扉を啓きて南の江に面す」(南の川のほうに扉)、「澗を激めて井に汲むに代へ」(谷川を井戸の代わりにする)から判断する問題なので、正解は②です。
しかしこの井戸をよく見ると…
なんと、川に管を突き刺しただけです!!
このままでは川の水が無限に敷地内に流れてくるので大洪水となるのは必至です!
早く逃げてください!
英語(筆記)でも、例年と違う形式の問題が出題されました。
本文中に、『2つのゾーンの境界線上にボールが着地した場合は、高い方の得点が与えられた』とあるので、総得点は230点で、④が正解です。
英語は第1日目の最終科目です。
疲れた状態でこの図を見ると、目が回りそうです…。
2000年に初登場して受験生を混乱させ続けた魔物”Pat様”が、最終年にも降臨されました。
初登場でクソゲーの攻略法を教えてお話はこちら👇
今年の登場は「英語(筆記)」の第4問です。
受験生たちも「出たっ!」と思ったことでしょう。
しかし、この問題で波乱は起こらず。
単にPat様は冷蔵庫を売り払おうとするだけでした。
ただ「Pat」と出ただけでしたが、受験生の心を乱すには十分だったようです。
最近はセンター試験にも時事ネタがよく盛り込まれていますが、今年はNBAのルールの歴史について出題されました。
北アメリカ最大のプロバスケットボールリーグであるNBAの初期の歴史において、試合は低い得点になることが頻繁で、結果として、必ずしも面白いものではなかった。①典型的な例は、レイカーズ対ピストンズの試合だった。その試合結果は19対18でピストンズの勝利だった。こうした試合は当時のファンたちをいらつかせ、得点を増やすために各シュートを24秒に制限するという新しいルールを導入する主たる動機となった。②時間制限のプレッシャーから、選手たちはミスをすることがより多くなった。 ③多くの議論を尽くした後、そのルールは1954年10月30日の公式戦で初めて使われた。 ④以来、各チームは1試合で100点を超える得点を記録している。この単純な変更は、試合をより面白くし、リーグを救ったのである。 |
この文章は、NBAファンにはたまらない文章だったことでしょう。
取り除くべき文である正解は②です。
リスニング試験では、昨年は1ページ目からリスニング四天王を召喚して話題となりました。
今年のリスニング試験の1ページ目は……
くつろぐ4匹のパンダでした!
疲れた頭を癒してくれたことでしょう。
同じくリスニング試験の後半には、このような絵がありました。
気になるのは、このスタッフのトレイの持ち方です。
指先でもっています。
「何だこの持ち方は…」と思うかもしれませんが、実はこの持ち方が普通らしいのです。
妙なこだわりを見せてくれましたね。
「物理基礎」の3ページ目です。
突如、アイドルを見てほほ笑む男の子が登場しました。
なぜこの絵にしたのか、謎が残ります。
「生物基礎」では、第1問が会話文からの出題でした。
なんと、「ホタル」と「ヒカル」の会話です。
他にも名前があっただろうに、なぜこの名前を選んだのでしょう。
もうネタに走っていることがよく分かります。
「地学基礎」では、謎の新キャラが登場しました。
その名もジオくん。
もののけ姫の「こだま」でしょうか。
2015年からセンター試験に出題された数学IAの「データの分析」。
これまで様々な問題が出題されましたが、最後となった2020年は本気を出してきました。
1ページをすべて埋め尽くす、47連箱ひげ図です!
問題の難易度は高くなかったのですが、これに圧倒された受験生も多くいたでしょう。
いかがでしたでしょうか。
最終回となった2020年のセンター試験は、まさに最後にふさわしいほどの話題を提供してくれました。
2021年からは新しく「大学入試共通テスト」が始まります。
どのような問題が出題されるのか、注目したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
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