センター試験事件簿その5【2010年~2014年】

雑記

こんにちは。福田泰裕です。

この頃になるとセンター試験もかなりの回数を重ねているため傾向がある程度読めるようになり、各予備校や塾では試験対策がバッチリなされるようになりました。
それによって、やや奇抜な問題が出題されるようになってきます。

その4【2005年~2009年】はこちら👇

今回は、その5【2010年~2014年】のお話です。

ぜひ最後までお読みください!

目次

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【2010年 第21回】古文にロリコン大将が登場!数学Ⅰが最高難易度!

「国語」問3の古文では『恋路ゆかしき大将』からの出典でした。
かなりの文量があり、時間のない中で解くのはとても難しかったと思われますが、この文章の内容も奇抜なものでした。

『恋路ゆかしき大将』
25~26歳であった大将は、宮中で美しい姫宮(11)を見かけて一目惚れしました。
大将は姫宮を見て「何千年見続けても飽きることがあるはずもない」と思いました。

大将は奈良の人形づくりのプロに頼んで、人形の家をつくり姫宮の母親へプレゼントしました。
帝はその様子を面白がり、姫宮を大将のもとにやると宣言しました。
さらに調子にのった大将は、部屋中に人形の家をつくって宮中を再現しようとするのでした。

もう、完全なロリコンです。

しかもこの文章、15個も注釈があり、和歌が6つも詠まれており、かなり難しかったといわれています。
そのためネットには「ロリコン死ね」と大量に書き込みがありました。

また、「数学Ⅰ」が地獄級の難しさとなりました。

その原因となったのは第3問。

この問題文にかかれている通りに図をかいていくと、こうなります。

何が何だかわかりません。
この図から必要な情報を抜き出して解答していくのは至難の業でしょう。

この2010年の数学IAの平均点は48.96点
全31回のセンター試験の数学1で、唯一50%を切ることになった超難易度でした。

【2011年 第22回】ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ

「国語」の第2問の小説は、加藤幸子『海辺暮らし』から出典されました。

工業排水で汚染されている干潟を埋め立ててごみ処理場にしようと、役所の職員がおばあさんの元を訪れます。
しかし、様々な理由からおばあさんはなかなか立ち退いてくれません。
その汚染された干潟でとれたあさりを職員に食べさせてからかいます。
ところが終盤、突然おばあさんは耳が聞こえないふりをして

「ゴ・メ・ン・ナ・サ・イ・ネ。ゼンゼン聞コエナクナリマシタ。」

と発する急展開に。
結局おばあさんは死んでしまいます。

内容は驚きでしたが、問題は簡単だったため「ババア愛してる」という書き込みが多くありました。

【2012年 第23回】地理Bで突如始まった間違い探し!リスニングに変態仮面が参上!

「地理B」が開始されると、問題訂正の紙が受験生に配られました。
その紙がこちら。

さて、一体どこに間違いがあるのでしょうか?
ぱっと見ても分かりません。

よぉぉおく見ると、千島列島や沖縄、台湾、イタリア周辺の島々などが追加されています。
これはきっと、地理Bの問題以上に難しかったに違いありません。

そして、リスニング試験の第2問では、謎の問題がありました。

女性: You’re going to the Halloween party as a superhero?
(ハロウィーンパーティにスーパーヒーローの格好で行くつもり?)
男性: Yeah, I finished making my mask.
(うん、マスクを作り終えたんだ。)
女性: Does it cover your whole head?
(頭全体を覆うの?)
男性: No, but I did get long boots and gloves.
(いや、でも長靴と手袋を手に入れたよ。)

そして選択肢がこちら。

突然の変態仮面参上です!!
マスクを被っておらず、長靴と手袋を手に入れている②が正解です。

これが第2問だったので、受験生は大きく動揺したでしょう。

【2013年 第24回】スピンスピンスピン!「1、0、おわり」

この2013年のセンター試験はネタの宝庫です。

まずは伝説となっている国語の小説です。
牧野信一『地球儀』からの出典です。

序盤から主人公と母親が、

「カンカン!」
「だけど、まアどうにかなるでしょうね」
「ただでさえ狭いのにこれ邪魔で仕様がない。まさか棄てるわけにもゆかず」

といったように、少し読みにくい会話を繰り広げます。
この後、母親は主人公が昔書いた小説を見つけ、朗読を始めます。

シイゼエボオイ・エンドゼエガアル(注6)」と。母は静かに朗読した。
スピンアトップ・スピンアトップ・スピンスピンスピン-回れよ独楽よ、回れよ回れ。」と彼の母は続けた。

フエーヤー?フエーヤー…チョッ!幾度聞いてもだめだ、すぐに忘れる」
ヘーヤーヘブン(注7)」と母は立ち所に言った。

いきなり始まる意味不明な展開に困る受験生たち。
(注6)を見ると、こう書いてあります。

「6. シイゼエボオイ・エンドゼエガアル – 「その少年と少女を見よ」の意味」

だから何だ、といいたくなるような説明です。
そして終盤になると、親戚たちの集いで父の代わりに主人公があいさつをします。

「今日はわざわざ御遠路の処をお運び下さいまして…(ええと?)…実は…その誠に恐縮なことで…その実は父が四五日前から止むを得ない自分自身(オッといけねエ)… ええ、止むを得ない自分用で、実はその関西の方へ出かけまして、今日帰る筈なのでございますが未だ…それで自分が…(チョッ、弱ったな)…どうぞ御ゆるり…。」

( )を使って主人公の心理描写を行うとは。
まるでライトノベルのような表現でした。

これ以降、センター試験の国語の小説で頭が混乱することを「スピンする」というようになりました。

また、「英語」では問題用紙にこのような面白い図が並びました。

まずは第4問には笑いながら抱き合う男女。

そして第5問ではこのような図が。

(A)のおばあちゃんはしいたけ鍋をつくっているのでしょうか?
しいたけを切らずに鍋で炒めています…。
(B)のインパクトも強いです。

そしてリスニングの第2問。

下ネタですか?

去年からセンター試験の英語は、図で笑いを取りにいくスタイルに変えたようです。

最後に「数学Ⅰ・A」の第3問。

これが難しすぎて、「ア」と「イ」しか書けない受験生が大量発生しました。
それによってできたコピペがこちらです。

「1、0、おわり」
悲しすぎます…。

【2014年 第25回】 「おほほほほほほほほほほ」「あはははははははははは」

英語だけでなく国語の小説もネタに走っている傾向が見られますが、この2014年も期待を裏切らないものでした。

岡本かの子『快走』からの出典です。

主人公の道子は。誰もいない月明かりの下の堤防を全力疾走することに興奮を覚えます。(すでに結構ヤバい。)
銭湯を口実に外出して毎晩堤防を全力疾走するゆになりますが、帰りが遅いため母に疑われてしまいます。

「 毎晩パンツ姿も凛々しく月光を浴びて多摩川の堤防の上を疾駆するあなたを考えただけでも胸が踊ります」
という道子宛のラブレターを父と母が勝手に読み、その挙句捨てるという事件に。

最後は父と母も月光の下で堤防を走ってみると意外と楽しくて

「おほほほほほほほほほほ」
「あはははははははははは」

と二人で笑いあうハッピーエンドでした。

この特徴的な笑い声や、『ズボン』のことを『パンツ』と書いていることなど、受験生はまたも混乱させられる事態になりました。

英語では、Pat様が再び降臨されました。

筆記では第2問の問2に、仲間のPamを連れて登場。

そして、なんと全員が油断したリスニングでも、問12に登場しました。
提出するはずのレポートを忘れそうなところを指摘されるPat様でした。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

今回はセンター試験事件簿その5【2010年~2014年】のお話でした。

続きは、もうしばらくお待ちください。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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コメント

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